国産ジーンズの特徴は、その始まりの歴史に寄ります。
元々日本にはなかったものを、それまでの技術を生かして進化させてきたところにあります。
原材料であるデニムの国内における生産は、1973年、倉敷紡績により始まりました。その時、製造に携わったのが、いわゆる備後地区と言われる岡山から広島にかけてのエリアです。備後地区は絣の産地でもあり、その伝統的な藍染技術の応用と色彩感覚が日本独自の綺麗なデニムカラーの基となり、糸からの丁寧なもの作りが、厚手でも肌触りのいいデニムの製造に繋がっているのです。
備後地区
絣
あらかじめ染め分けた経糸(たていと)もしくは緯糸(よこいと)、またはその両方を用いて、文様を表す織物技法。
また、時代とともに「糸の太さ」「麻や異素材と組み合わせたバリエーションの広さ」なども海外には見られなかった進化です。現在では、他の国でも同じような傾向にありますが、日本のデニムがスタンダードになっているのは事実です。
加工技術も同じく、日本で生まれた水洗い加工から始まり、ブリーチ加工やストーンをッシュ、ケミカル加工など、進化の連続が現在の匠の技に繋がっています。いわゆる現在の世界のトレンドが日本から出たものであると言えるのです。
海外におけるデニムは、どちらかというと質よりも量を求めるビジネスとしての側面が強かったため、商品の多様化よりも、コストを安くして量を作ることに主眼が置かれていました。
文:株式会社ベティスミス代表取締役社長
大島康弘
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