そんなジーンズに関するふとした疑問・質問に、
ベティスミス代表取締役社長 大島康弘が
お答えします。
大島康弘
ベティスミスは、多くのジーンズを作っていますが、ジーンズを作る時にどうしても半端な生地が残ってしまいます。その端材を使って作った小物がエコベティです。
2002年、ジーンズが地場産業として社会科の教科書に紹介され、工場見学がスタートしました。その際、小学生のお土産として、残りの布、ファスナー、織りネームなど、生産時に出た余り物で作ったのが始まりです。残り物からできてエコなのでエコベティと名付けました。
最初は販売していなかったのですが、観光のお客様からのご要望が多く販売を始めました。徐々にアイテムが増え、駄菓子のように色々選べる楽しいイメージで展開して、今やベティスミスの人気アイテムです。現在ベティスミスでは、捨てるものはほぼゼロになっています。
詳しくは、ホームページのエコベティプロジェクトを参照下さい。ジーンズの製造工程も勉強できます。
▼エコベティプロジェクト
https://betty.co.jp/project_cat/eco/
季節ごとに作りを変えてはいませんが、素材での変化はあります。
基本ジーンズは一年を通して履けますが、暑い夏には履いていても汗だくになってしまいます。そのため、夏には薄手のデニム(10oz〜12oz)が多いです。また、麻混デニム、最近では機能素材といわれる「COOLMAX®」を使用したデニムなど、夏用デニムも充実しています。
一方、寒い真冬は、裏が起毛したデニムやウール混デニムなど、暖かいデニムを使用しています。
このような多彩なデニムは90年代から開発されはじめ、海外でも認められる要因になったのです。
素材は、専業のデニムメーカーから仕入れをしたり、オリジナルのデニムを作ってもらっています。
デニムは、岡山県の井原市がデニムの産地です。かつては、備後カスリの産地でした。その藍染の技術を活かしてデニムを作るようになったのです。日本の特徴の一つは、鮮やかなブルーですが、それは藍染からきたのではと思います。
ちなみにベティスミスは、国内に2工場、中国に1工場あります。全てがMade in Japanではないですが、中国工場も日本工場で研修して帰ったスタッフが多く日本工場と同じクオリティを保っています。
ベティスミスのキャラクターは、1970年アメリカの元気な女の子をイメージして登場しました。当時アメリカでは、反戦運動が盛んでアフロ頭にベルボトルといったスタイルが流行っていたようなのでブラウン管から見ることができました。日本も高度成長期の真っ只中で、勢いのある時代に飛び出してきたキャラクターです。今では親子、お孫さんと3代にわたり、ベティちゃんと親しまれています。
補足ですが、ベティスミスは1970年国内で最初にレディースジーンズを作ったメーカーなんです。今では当たり前ですが、その当時はメンズ用のジーンズを女性も履いており、フィット感が良くないというのと、これからは女性の時代が来ると思い女性用ジーンズをスタートさせたのです。
確かにそうですね。商品は加工により表情が変わってきます。ベティスミスの商品は、可愛らしさをコンセプトにしているため、ハードな加工よりソフトの加工の方が商品との相性がいいのです。その為現在の商品にはダメージが入っているものが少ないです。
また大人のジーンズデニムワークスは、日本のデニムの特徴である、綺麗なブルーを損なわないように、ワンウオッシュを基本としています。
それでも、ダメージを希望のお客様には、オーダーで00年から20年加工のサンプルを用意して、オーダーで加工を施すようにしています。
ジーンズは洗わない方が価値が高いということはありません。
洗った方がいいかどうかは良く質問されますが、洗わずに色落ち感を楽しむのも嗜好の1つですが、衛生的には、洗った方がいいです。洗わないと雑菌が繁殖して、生地の劣化にもつながります。
その場合、漂白剤の入っていない洗剤をおすすめします。(漂白剤が入っていると色落ちが早くなります。)洗濯後は裏返しにして陰干ししてください。こちらは日焼け防止です。
ジーンズは履き込んでいるうちに、履いている人に合わせて色落ちしていき、愛着も増してきます。それも、楽しみの一つです。
大体は、製作者が自分の思いをこめてネーミングするケースが多いです。
ベティスミス人気のヘリテイジパンツは、販売当初は開発者の思いが強くガチャガチャしたパンツでガチャパンツとネーミングしていました。
今年マイナーチェンジをした時に受け継いで再編集した担当が、すでに販売から15年以上経っているということで、ヘリテイジパンツと改名しました。
大きな違いはシルエットです。女性は男性と比べて、ウエストが小さく逆にヒップが大きいシルエットになっています。
かつてジーンズはメンズしかなく、女性も男性用のジーンズを着用していました。女性の体型にフィットしたジーンズを作ろうと、1970年ベティスミスは国内で最初のレディースジーンズメーカーとしてスタートしました。
また、ウエストのフィット感をよくしようと、1973年に「カーブベルト」を採用しました。そのことにより、腰回りを包み込むようなシルエットのジーンズが完成しました。そのカーブベルトは、大人のためのジーンズ、デニムワークスにも採用され、履き心地の良さはリピーターの多さでも証明されています。
カラージーンズはお客様からのご要望も多く、は2023年春からオーダージーンズのバリエーションに「グリーンデニム」が加わる予定です。また、それ以外のカラーについてもリクエストしていただければ、オーダージーンズで作成可能です。
▼オーダージーンズのご予約、お問い合わせは、こちらから
https://betty.co.jp/village/salon/
ジーンズはなぜ青いかという事には、諸説ありますが、その一つに「ガラガラ蛇に噛まれない為」という説があります。かつてジーンズが普及した70年代にはこの説が最も有力だったように思います。
実際、天然のインディゴには「ピレスロイド」という爬虫類が嫌う成分が含まれており、以前テレビ番組で、天然藍でジーンズを染めたところ、蛇は逃げていました。ただ、現在のジーンズは、合成インディゴで染めた物を使用しているのでその効果はありません。
その他の説として、「汚れが目立たない為インディゴのブルーが使われた」というのもあります。どちらもなぜジーンズは青いかというのに不思議ではなく、ジーンズの生い立ちにロマンを感じますね。
最近では、ジーンズの事をデニムと呼ぶことも一般的になっていますが、そもそもジーンズとは「製品」を意味し、デニムとは「素材」を意味します。デニムで作られた製品がジーンズということです。
また、かつてジーンズは「Gパン」と呼ばれていました。2000年くらいまでは、Gパンの方が一般的でした。Gパンとジーンズ、どちらもカタカナだと“ジーパン”、“ジーンズ”と響きが似ていることもあり、同じ語源だと思っていた人も多いですが、実はそうではないんです。
日本で最初にジーンズが売られたのは、第二次世界大戦後に現在の上野アメ横で、中古のジーンズが売られたのが始まりです。当時GI(アメリカの兵隊)が中古品をマーケットに放出したりもしていました。GIが持ってきたパンツという事で「Gパン」と言われるようになったんです。GパンはGIパンツの略語で全くの和製英語だったんです。
ジーンズはインディゴ染料で染められてデニム素材でできたパンツです。
少し難しい説明になりますが、デニムは、ロープ染色という製法で、ロープ状に束ねた糸をインディゴ染料で染めた縦糸と、白い横糸を綾織にした生地です。
縦糸のところが表地に現れジーンズのブルーになるわけですが、インディゴ染料は固着しにくく、糸の表面しか染まっておらず、糸の中は白いまま。ジーンズを履いていくうちに表面のインディゴが擦れてだんだん色が落ちていく、そうすると染まっていない白い部分が出てきて色落ちとなります。
この色落ちは、履いた人の癖が出て一つとして同じ色落ちがないんです。この経年変化がジーンズへの愛着をより深めてくれます。「ジーンズを育てる」と言う表現もあるほど色落ちは他の衣料にはないアイテムといえます。
リベットは、ジーンズと言う定義には欠かせないパーツと言っても過言ではありません。
通常ジーンズには、ポケット口に4個、コインポイントに2個の合計6個のリベットが打ち付けてあります。ジーンズは、元々金鉱掘りの為の作業用パンツとして誕生しました。その為、丈夫さが必要だったんです。リベットは、ポケット口の補強の為に打ち付けられたものなんです。
※海外への発送は承っておりません。
日本国内のみのお届けに限らせていただいておりますのでご了承ください。